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気づけば続くカラダづくり

運動不足は「運動」でなくても解消できる!?

「健康のために運動しましょう」と言われても、「忙しくて時間がない」「運動は苦手」と思う人も多いのではないでしょうか。でも、健康づくりのために、必ずしもスポーツをしたり、そのための特別な道具をそろえたりする必要はありません。大切なのは、毎日の生活の中で「体を動かす時間」を少しずつ増やすことです。

体を動かすことは「未来の自分への投資」

体を動かすことには、たくさんのメリットがあります。心臓や肺、筋肉の働きが高まり、疲れにくい体づくりにつながるほか、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防、睡眠や心の健康にも良い効果が期待できます。まさに、体を動かすことは「未来の自分への投資」といえるでしょう。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」1)では、成人は歩行またはそれと同じくらいの強さの身体活動を1日60分以上行うことをすすめています。これは1日約8,000歩以上に相当します。

「8,000歩も無理!」と思った人も心配はいりません。大切なのは、いきなり目標を達成することではなく、「今より少しでも多く動く」ことです。

「運動」だけが身体活動ではない

ここで知ってほしいのが「身体活動」という言葉です。身体活動とは、スポーツやウォーキングなどの「運動」だけではありません。通勤・通学で駅まで歩く、階段をのぼる、掃除や洗濯をする、買い物に出かける、子どもと遊ぶ――これらもすべて身体活動です。日ごろスポーツをしている人でも、スポーツで消費するエネルギーよりも、このような生活における身体活動で消費するエネルギーの方が通常は大きくなります。

さらに、「運動は10分以上続けないと意味がない」ということもありません。たとえ細切れでも、体を動かすことには健康面での効果があります。「30分運動する時間がないから今日はゼロ」ではなく、生活の中のスキマ時間に「ちょこちょこ動く」と考えてみましょう。

筋トレも「ながら」でOK

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健康づくりには筋力トレーニングも大切で、成人では週2~3日がすすめられています 1)。「筋トレにはダンベルやマシンが必要」と思うかもしれませんが、自分の体重を利用する方法もあります。

例えば、歯磨きをしながらかかとを上げ下げする、エスカレーターではなく階段を使う、テレビを見ながらスクワットをするなど、日常生活には筋トレのチャンスがあふれています。特別な時間をつくらず、いつもの行動に運動を「くっつける」のがコツです。


「座りっぱなし」も減らそう

もう一つ大切なのが、長時間座り続けないことです。勉強や仕事、テレビ、スマートフォンなど、私たちは気づかないうちに長い時間を座って過ごしています。座りっぱなしの時間が長いほど、健康や寿命に悪影響を及ぼすことがわかっています 2)。そして、ここが重要なのですが、座りっぱなしの時間は強度の低い運動や身体活動で帳消しにできないのです。座り続けないことと体を動かすこと、それぞれに気を付ける必要があります。

テレビを見ている途中で立つ、休憩時間に少し歩く、用事があれば自分で相手のところまで行くなど、座りっぱなしをこまめに中断してみましょう。

おわりに

健康づくりは、「毎日頑張って運動する」ことだけではありません。三日坊主は誰もが身に覚えのあるもので、つらいことが長続きしないのは当たり前のことなのです。

「ついで」「ながら」で、気づけば体を動かしていた――。

まずは今日から、自分の生活の中で「これならできそう」ということを一つ見つけてみませんか。その小さな積み重ねが、未来の自分の健康につながっていきます。


出典
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
  • Liew SJ et al. Device-measured physical activity and sedentary behavior in relation to cardiovascular diseases and all-cause mortality: Systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies. AJPM Focus, 2022; 2(1): 100054.

横山 久代 先生

大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター教授

代謝内分泌学・運動療法を専門とし、糖尿病や生活習慣病、フレイル予防に関する研究を推進。大学や地域との連携を通じて、健康づくりの普及に取り組んでいる。