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知ればもっと健康

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気づけば続くカラダづくり

運動不足の解消には、まず「歩く」ことから

まずは歩きましょう

コロナ禍に私たちは身体活動量を大きく減らしました。そこから順調に回復してきてはいますが、生活の中で「体を動かす機会」は以前より少なくなっています。テレワークやオンライン会議、ネットショッピング、食事のデリバリーなど、便利なサービスがすっかり身近なものになりました。一方で、このような新しい生活様式は、これまで当たり前に行っていた、ちょっとした身体活動の機会を奪っています。

そのような中、「最近、運動不足だな」「健康のために何か始めたほうがいいかな」と感じている方も多いのではないでしょうか。

運動不足を解消しようとすると、「ジムに通わなければ」「筋トレを始めなければ」と考えがちですが、もっと手軽な方法があります。

まずは、歩きましょう。

歩くことなら、シューズさえあれば、特別な道具も技術も必要ありません。いつでも、どこでも、自分のペースで始められます。

どのぐらい歩けばよい?

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では、健康のためにはどのくらい歩けばよいのでしょうか。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」1)では、成人は1日8000歩以上、高齢者は1日6000歩以上が目安として示されています。

「8000歩も!?」と思った方、ご安心ください。最初から8000歩をめざす必要はありません。

日ごろ自分がどれぐらい歩いているか、知らない方も案外多いのではないでしょうか?まずはスマートフォンなどで、普段の歩数を確認してみましょう。「意外と歩いていた」という方もいれば、「こんなに少なかったのか」と驚く方もいるでしょう。大切なのは、まず自分の現在地を知ること。そして、今より1日+1000歩を目標にしてみてください。

歩数を増やせば、その強度に関わらず、さまざまな原因で亡くなる人の割合を低下させます 2)。とくに高齢者では、その効果がより少ない歩数から現れ始めるだけでなく、いつもの歩数が少ない人ほど、歩数を増やすことの恩恵を受けやすいこともわかっています 3)。1000歩は時間にすると約10分。少し遠いスーパーに行く、いつもは自転車に乗る道を歩くなど、日常生活のちょっとした工夫で増やすことができます。

続けるコツ

日ごろ外来を訪れる患者さんと話していると、ウォーキングが長続きする方にはいくつかコツがあるようです。

一つは、一緒に歩く仲間をつくること。自分だけだと「今日はやめておこう」となりがちですが、誰かと約束していれば外に出るきっかけになります。家族や友人と、今日はどこを歩こうかと、たわいもない話をしながら歩く時間は、気分転換にもなるでしょう。

ウォーキングラリーなど、地域のイベントに参加するのもおすすめです。「ここまで歩こう」という目標があると、いつものウォーキングが少し楽しくなりますし、参加をきっかけに、日ごろ一緒に歩く仲間が見つかるかもしれません。どのような催しがあるかチェックしてみましょう。

記録することも、継続の力になります。歩数だけでなく、体重や睡眠時間、血圧などと一緒に記録してみると、歩くことで健康面にどのようなメリットがあったか把握できます。このような成功体験があると、歩こうという気持ちが長続きすることを日々の診療場面で実感します。

もう一つ大切なのは、頑張りすぎないこと。最初から長い距離を歩いたり、毎日必ず8000歩と決めたりすると、かえって続かなくなることがあります。「今日はいつもより少し歩けた」「これくらいなら明日もできそう」。そのくらいで十分です。

これらをヒントに、ぜひ気軽に歩きに出かけてみてください。

おわりに

昨今は極端に暑く長い夏が、実は歩くことの最大の難敵かもしれません。日中を避け、朝夕の比較的気温の低い時間帯を選んだり、地下街やアーケードのある商店街を利用したりするのもよいでしょう。大阪市内にはそのような場所が身近に多くあり、お気に入りの場所を見つけるのも楽しいかもしれません。

健康づくりは、特別な運動を始めることだけではありません。まずは今日、いつもより少しだけ多く歩いてみませんか。

「+1000歩」から、あなたの健康づくりを始めてみましょう。


出典
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
  • Shah S, Chen Y, Owen A, et al. Walking and Health Outcomes in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Longitudinal Studies. Am J Health Promot 2026:8901171261438402.
  • Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health 2022;7:e219-e228.

横山 久代 先生

大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター教授

代謝内分泌学・運動療法を専門とし、糖尿病や生活習慣病、フレイル予防に関する研究を推進。大学や地域との連携を通じて、健康づくりの普及に取り組んでいる。